大不況時代といわれている今、どんなに実力があっても、すぐに次の仕事先が決まるとは限りません。スキルアップや夢を叶えるために転職を考えたとき、今の会社をすぐに辞めようと考える人もいますが、それは本当に得策でしょうか？
　 仕事をしながら転職活動をすることは、時間的な制約も多く、困難なことです。気持ちをリセットし、退職してから転職活動することも決して悪いことではありません。しかし、仕事を探している間の生活費など、意外とお金がかかるもの。退職後、最低でも３か月分の蓄えが必要だといわれています。すぐに辞めても生活していけるかどうか、自分の懐と相談してみましょう。

毎月の収入が途絶えてしまっても
生活できるだけの貯蓄はありますか？

退職後、すぐに行わなくてはならないことは、失業給付金の申請です。転職のために退職する場合、自己都合による退職になります。そのため、申請から３か月は給付金が支払われません。できるだけ早く給付金を受けられるようにするためにも、書類がそろい次第、ハローワークへ行きましょう。
　 失業保険の給付制限期間には、退職金や貯金などで生活していかなければなりません。また、給付金は月給よりも少なくなることが多いため、今まで通りの生活が送れるとも限らないのです。現在の貯蓄額はもちろん、１か月に生活費はいくら必要なのか、きちんと確認しておく必要があります。

まずはスケジュール帳を使って支出管理をはじめてみては？

このとき、意外と忘れがちなのが年金や保険料です。今までは給料から天引きされていたと思いますが、失業中は国民年金保険に加入することになります。この期間に支払を忘れてしまうと、将来年金を受け取れなくなってしまうのです。今まで積み上げてきたものが台無しになってしまいます。少しの期間ではありますが、必ず手続きするようにしてください。
　 生命保険についても、団体割引になっている場合、退職後は保険料が変わることもあります。支払方法も変わるため、保険の担当者に相談するといいですね。金銭的に苦しくて保険を解約してしまう人もいますが、年齢が上がると保険料が高くなってしまうので、再加入すると損してしまうことも。万が一の備えを失うことは、精神的にも不安になってしまうので、生活費に組み込んでおいたほうがいいでしょう。

数か月の支払を怠ったために年金が受け取れなくなることも

求職中には、資格取得のためのスクールへ通ったり、視野を広げるために習い事をはじめたくなるものです。また、まとまった時間がとれるチャンスでもあるので、気分をリセットさせる意味で海外旅行に行く人も多いでしょう。このように、普段はできないことに取り組むチャンスでもあるので、すぐに仕事が決まらなくても焦る必要はありません。
　 しかし、当然ながら、失業中には大きな出費になるのも事実です。その費用も、計算にいれる必要があります。余裕を持って仕事探しに取り組めるようにするには、５か月分の蓄えは欲しいものです。心にゆとりが生まれれば、妥協することのない転職活動ができるはず。退職を決意したら、できるだけ節約するなど、生活面でも工夫するといいですね。

短期留学や海外ボランティアも転職活動で優位になります

転職活動をする予定のない人でも、いざというときのための蓄えは必要です。残念ながら、上場企業の倒産を耳にする機会も少なくなく、いつ収入が途絶えてしまうかはわかりません。そんなときでも、余裕を持って転職活動ができるようにするためにも、日頃から危機管理意識を持つ必要があります。
　 お金がすべてではありませんが、生活するにはなくてはならないものです。あなたの貯蓄額では、もしものときに対応できますか？　これを機に、マネープランを見直してみましょう。

節約も兼ねてお弁当生活をはじめるのもいいですね